相続手続きの流れをステップごとに解説!初めての方でも安心
- サポートセンター 相続
- 4月12日
- 読了時間: 8分
更新日:4月13日

「相続」という言葉を聞くと、何から手をつければ良いのか、どんな手続きが必要なのか、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。特に初めて相続を経験される方は、その複雑さに戸惑うこともあるかもしれません。
この記事では、相続が発生してから完了までの一般的な流れを、ステップごとに分かりやすく解説します。各ステップで何をするべきか、注意すべき点は何かを把握することで、安心して相続手続きを進めることができるでしょう。
1. 相続発生~悲しみを乗り越えて最初に行うこと~
相続は、被相続人(亡くなった方)の死亡によって開始します。まずは、故人のご冥福を心からお祈りし、葬儀などの手配を行うことが最優先となります。
このステップで大切なこと
死亡の確認: 医師による死亡診断書の受け取り。
葬儀の手配: 葬儀社との打ち合わせ、日程や場所の決定。
関係者への連絡: 親族や知人への訃報連絡。
2. 死亡届の提出と死亡診断書の取得
故人が亡くなったことを法的に証明するために、死亡届を市区町村役場に提出する必要があります。
このステップで行うこと
死亡届の提出: 死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡した場合は3ヶ月以内)に、市区町村役場に死亡届を提出します。
死亡診断書・死体検案書の提出: 死亡届には、医師が作成した死亡診断書または死体検案書を添付します。
火葬許可証の取得: 火葬を行うために必要な許可証を役場で取得します。
3. 相続人の確定~誰が財産を受け継ぐのかを明確に~
次に、誰が故人の財産を受け継ぐ権利を持つのかを確定します。これを「相続人の確定」といいます。
このステップで行うこと
戸籍謄本等の収集: 故人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本などを収集し、相続関係を明らかにします。
相続人の調査: 集めた戸籍謄本などをもとに、法定相続人を特定します。
法定相続人には、配偶者、子、父母、兄弟姉妹などがおり、順位が定められています(詳しくは前回の記事「相続とは?誰が相続人になるの?~法定相続人と順位について徹底解説~」をご参照ください)。
4. 財産調査と財産目録の作成~何を受け継ぐのかを把握する~
相続人が確定したら、故人がどのような財産を持っていたのかを調査します。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も調査する必要があります。
このステップで行うこと
預貯金: 金融機関に問い合わせ、残高証明書などを取得します。
不動産: 登記簿謄本を取得し、名義や所在地などを確認します。
有価証券: 証券会社に問い合わせ、残高証明書などを取得します。
自動車: 車検証を確認します。
保険: 保険会社に問い合わせ、契約内容や受取人を確認します。
借金・ローン: 契約書や明細書を確認します。
その他: 貴金属、美術品、骨董品なども含めて調査します。
財産目録の作成: 調査した財産の内容と評価額を一覧にした「財産目録」を作成します。これは、遺産分割協議や相続税申告の基礎となります。
5. 相続の承認・放棄の検討~プラスの財産とマイナスの財産を考慮して~
故人の財産状況が明らかになったら、相続人は相続するかどうかを決定します。選択肢は主に3つあります。
このステップで行うこと
単純承認: 故人の財産をすべて無条件で引き継ぐこと。
限定承認: 相続によって得た財産の範囲内で、故人の借金などの債務を弁済すること。
相続放棄: 故人の財産を一切引き継がないこと。
これらの選択肢は、原則として相続の開始を知った時から3ヶ月以内に行う必要があります。財産状況を慎重に検討し、適切な判断をすることが重要です。
6. 遺言書の確認・検認(必要に応じて)~故人の意思を確認する~
故人が遺言書を作成している場合は、その内容を確認します。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所での検認手続きが必要となります。
このステップで行うこと
遺言書の探索: 自宅や貸金庫などを探します。
遺言書の開封: 家庭裁判所の検認が必要な遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いのもと開封します。
遺言書の内容確認: 遺言書に書かれている内容を確認し、相続人や遺産の分け方などを把握します。
7. 遺産分割協議~相続人全員で話し合い、遺産の分け方を決める~
遺言書がない場合や、遺言書で全ての遺産の分け方が指定されていない場合は、相続人全員で遺産の分け方について話し合う「遺産分割協議」を行います。
このステップで行うこと
相続人全員での話し合い: 相続人全員が集まり、それぞれの希望や状況を考慮しながら、誰がどの財産をどのように取得するかを話し合います。
合意形成: 全ての相続人が合意することが原則です。
8. 遺産分割協議書の作成~合意内容を正式な書面に~
遺産分割協議で合意した内容は、「遺産分割協議書」という書面にまとめます。この協議書は、その後の財産の名義変更手続きなどで必要となる重要な書類です。
このステップで行うこと
協議書の内容作成: 合意した内容を正確に記載します。
相続人全員の署名・押印: 全ての相続人が署名し、実印を押印します。
9. 財産の名義変更手続き~不動産や預貯金などの名義を書き換える~
遺産分割協議書や遺言書の内容に基づいて、故人の名義になっている財産を相続人の名義に変更する手続きを行います。
このステップで行うこと
不動産: 法務局で相続登記を行います。
預貯金: 金融機関で名義変更や払い戻しの手続きを行います。
自動車: 運輸支局で名義変更を行います。
有価証券: 証券会社で名義変更の手続きを行います。
各手続きに必要な書類は、財産の種類や金融機関によって異なりますので、事前に確認が必要です。
10. 相続税の申告・納税(該当する場合)~税務署への申告と納税~
相続財産の総額が基礎控除額を超える場合は、相続税の申告と納税が必要になります。
このステップで行うこと
相続税の申告書の作成: 税務署の指示に従い、申告書を作成します。
税務署への申告: 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に、税務署に申告書を提出します。
相続税の納付: 申告期限までに相続税を納付します。
相続税の計算は複雑な場合があるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
11. 各種手続きの完了~これで一区切り~
上記の手続きが全て完了したら、相続手続きは一区切りとなります。
このステップで行うこと
手続き完了の確認: 各機関からの書類や通知などを確認し、手続きが完了していることを確認します。
困ったときは行政書士にご相談を
相続手続きは、多くの書類の準備や専門的な知識が必要となる複雑な手続きです。特に、初めて経験される方にとっては、何から始めれば良いか分からず、不安に感じることも多いでしょう。
当事務所では、相続人の確定、財産調査、遺産分割協議書の作成、各種名義変更手続きなど、相続に関する様々な手続きをサポートしております。
東京・神奈川にお住まいの皆様で、相続手続きにお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
お客様の状況を丁寧にお伺いし、安心して手続きを進められるよう、親身にサポートいたします。
まとめ
相続手続きは、段階的に進めていくことで、初めての方でも安心して取り組むことができます。この記事を参考に、ご自身の状況に合わせて一つ一つのステップを着実に進めていきましょう。もし、途中で困ったことがあれば、迷わず専門家である行政書士にご相談ください。
【この記事のポイント】
相続手続きは、死亡から始まり、財産の名義変更や相続税の申告・納税まで、複数のステップがある。
各ステップで何をするべきかを把握することで、スムーズに手続きを進めることができる。
相続人の確定、財産調査、遺産分割協議などが重要なステップとなる。
遺言書の有無や相続財産の状況によって、必要な手続きは異なる。
相続手続きに不安を感じたら、専門家である行政書士に相談するのがおすすめ。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースについては専門家にご相談ください。
東京・神奈川で遺言書の作成・相続のお手続きをお考えの方は、
横浜にある相続遺言執行センターへご相談ください。
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