「不動産の相続手続きとは?必要書類や流れ、費用について解説」
- サポートセンター 相続
- 4月13日
- 読了時間: 6分

相続財産の中でも特に価値が高く、手続きが煩雑になりやすいのが不動産です。
「実家を相続したけれど、何から始めればいいのか分からない」「名義変更にはどんな書類が必要なの?」「費用はどれくらいかかる?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産の相続手続きの流れから、必要書類、そして気になる費用までを分かりやすく解説します。スムーズな相続手続きのために、ぜひ参考にしてください。
1. 不動産の相続手続きの概要 ~名義変更が必須~
不動産を相続した場合、預貯金や有価証券とは異なり、法務局で所有者の名義を被相続人から相続人へと変更する「相続登記」という手続きを行う必要があります。この手続きを行わないと、不動産を売却したり、担保に入れたりすることができなくなるため、必ず行うようにしましょう。
2. 不動産の相続手続きの流れ(ステップ別解説)
不動産の相続手続きは、主に以下のステップで進んでいきます。
ステップ1:被相続人(亡くなった方)名義の確認
まずは、相続の対象となる不動産が本当に被相続人の名義になっているかを確認します。
確認方法: 不動産の権利証(登記済証または登記識別情報)や固定資産税の納税通知書などを確認します。法務局で登記事項証明書を取得することでも確認できます。
ステップ2:相続人の確定
誰が不動産を相続する権利を持つのかを確定します。これは、戸籍謄本などを収集して調査します(詳しくは過去の記事「相続とは?誰が相続人になるの?~法定相続人と順位について徹底解説~」をご参照ください)。
ステップ3:遺言書の有無の確認
被相続人が遺言書を作成している場合は、その内容が優先されます。遺言書がない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの不動産を相続するのかを決定します。
遺言書がある場合: 遺言書の内容に従って相続手続きを進めます。自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認が必要です。
遺言書がない場合: 相続人全員で遺産分割協議を行い、合意内容を遺産分割協議書にまとめます。
ステップ4:必要書類の準備
相続登記を申請するために、様々な書類を準備する必要があります。主な必要書類は以下の通りです。
被相続人に関する書類
出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本
住民票の除票(本籍地の記載があるもの)または戸籍の附票
相続人に関する書類
相続人全員の戸籍謄本
不動産を相続する方の住民票
相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書を作成する場合)
不動産に関する書類
登記簿謄本(全部事項証明書)
固定資産評価証明書(最新年度のもの)
その他
遺言書(自筆証書遺言の場合には検認されていることが必要)
遺産分割協議書(遺産分割協議を行った場合)
相続関係説明図(戸籍謄本の内容をまとめたもの)
委任状(司法書士などに手続きを依頼する場合)
注意点: 上記は一般的な必要書類であり、個別のケースによって追加の書類が必要となる場合があります。事前に法務局や専門家に確認することをおすすめします。
ステップ5:相続登記の申請
必要書類が揃ったら、管轄の法務局に相続登記の申請を行います。
申請方法: 法務局の窓口に書類を持参して申請する方法と、オンラインで申請する方法があります。
申請書: 法務局のウェブサイトからダウンロードするか、窓口で入手できます。
ステップ6:登録免許税の納付
相続登記には、「登録免許税」という税金がかかります。税額は、不動産の固定資産評価額に一定の税率を掛けて計算されます。
税率: 原則として、固定資産評価額の0.4%です。
納付方法: 現金納付または収入印紙で納付します。
ステップ7:登記完了・登記識別情報等の受領
法務局での審査が完了すると、相続登記が完了し、「登記識別情報」などが発行されます。登記識別情報は、不動産の権利を証明する非常に重要な書類ですので、大切に保管しましょう。
3. 不動産の相続にかかる費用
不動産の相続手続きには、主に以下のような費用がかかります。
登録免許税: 前述の通り、固定資産評価額の0.4%が目安です。
戸籍謄本等の取得費用: 収集する戸籍謄本の種類や枚数によって異なりますが、数千円程度かかる場合があります。
固定資産評価証明書の取得費用: 自治体によって異なりますが、数百円程度です。
司法書士への依頼費用: 相続登記の手続きを司法書士に依頼する場合、報酬が発生します。費用は司法書士事務所によって異なりますが、数万円~数十万円程度が目安となります。
その他費用: 郵送費などがかかる場合があります。
費用を抑えるポイント: 相続登記の手続きはご自身で行うことも可能ですが、書類の準備や法的な知識が必要となるため、専門家に依頼する方がスムーズに進められることが多いです。
4. 相続登記の義務化について(2024年4月1日施行)
2024年4月1日から、相続によって不動産を取得した相続人は、その取得を知った日から3年以内に相続登記をすることが義務付けられました。正当な理由なくこの義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
5. 不動産の相続手続きでお困りの際は、司法書士も在籍している相続遺言執行センターへご相談ください
不動産の相続手続きは、必要書類が多く、手続きも煩雑なため、初めての方にとっては大きな負担となることがあります。当センターでは、不動産の相続に関するあらゆるお悩みに対応し、登記申請の手続きを丁寧にサポートいたします。東京・神奈川にお住まいの皆様で、不動産の相続手続きにお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
東京・神奈川で遺言書の作成・相続のお手続きをお考えの方は、
横浜にある相続遺言執行センターへご相談ください。
まとめ
不動産の相続手続きは、名義変更(相続登記)が必須であり、必要書類の準備や法務局への申請など、複数のステップを踏む必要があります。
費用もかかるため、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。ご自身で行うのが難しいと感じたら、専門家のサポートを検討しましょう。
【この記事のポイント】
不動産の相続には、所有者の名義を相続人に変更する「相続登記」が必要。
相続登記の流れは、名義確認、相続人確定、遺言書確認、書類準備、申請、税金納付、登記完了。
必要書類は多岐にわたり、個別のケースによって異なる場合がある。
相続登記には、登録免許税などの費用がかかる。
2024年4月1日から相続登記が義務化された。
不動産の相続手続きに困ったら、専門家に相談するのがおすすめ。
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別のケースについては専門家にご相談ください。
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